賃貸メインの不動産屋さんは今時期は繁忙期シーズンで
大変忙しい日々だと思います。
本当にいつもお疲れ様です。

今回のテーマ「収益不動産を購入する上での家賃について考える」ですが、
大家仲間からよく「これどう思う?」って聞かれることの中から
新築提案のシミュレーション資料に注意する点を書こうと思います。
※中古物件のレントロールを見る際にも重要な点です。

例えば大分市○○の1Kの新築家賃相場が50,000円だとして
新築から30年分の概算のシミュレーションをもらうとしましょう。
この時注意する点は運用30年間でのシミュレーションは
家賃の下落を考慮しているか、という点です。

年数 家賃 下落率   年数 家賃 下落率   年数 家賃 下落率
1 50,000 0%   1 50,000 1.0%   1 50,000 1.5%
2 50,000 0%   2 49,500 1.0%   2 49,250 1.5%
3 50,000 0%   3 49,005 1.0%   3 48,511 1.5%
4 50,000 0%   4 48,515 1.0%   4 47,784 1.5%
5 50,000 0%   5 48,030 1.0%   5 47,067 1.5%
               
10 50,000 0%   10 45,676 1.0%   10 43,641 1.5%
                 
15 50,000 0%   15 43,437 1.0%   15 40,465 1.5%
               
20 50,000 0%   20 41,308 1.0%   20 37,520 1.5%
               
25 50,000 0%   25 39,284 1.0%   25 34,789 1.5%
               
30 50,000 0%   30 37,359 1.0%   30 32,257 1.5%



下落率を年間0%、1%、1.5%の3パターンで30年分を計算していますが
現在の築30年の1Kの家賃と比べてみてどうでしょうか?
実際は入居中に家賃の下落は基本的にないので
毎年の下落することは考えにくいですし、
そのオーナーが何年くらい保有予定なのかにもよりますが
家賃の下落は絶対考慮するべきだと思います。

全く家賃の下落を考慮していないシミュレーションが本当に多いのが現状です。
建築屋さんも売り上げやノルマがあるのでしょうが、
結構な金額をローン組むオーナーにはちゃんと説明するべきだと思いますし、
オーナーさんもこのくらいは知識をつけないと
今後もっと難しい複雑な話が出てくるケースもよくあります。


と言いながらも
中古物件で築40年の3DK、近隣の類似物件の相場家賃50,000円という
エリアの物件を購入した際に適切な費用で適切なリノベをして
65,000円に家賃をアップして成約できたケースも実際にあります。
これはもちろん不動産屋さんの営業の方の能力が高いのが全てですが、
近隣にリノベ物件もなかったのと、ちょっとした工夫で後押しをして
工事後1ヶ月もしないうちに成約することができました。

その後は
元々あった空室の何部屋かを同じようにリノベをして満室にして売却という
安く買って価値を上げて売却できたケースの一つです。
話がそれましたが、日本では特に人口減少や文化や歴史、地理的な側面もあり
通常では家賃は下落するので必ずシミュレーションでは考慮しましょう。

それでは。